形式	山城	【位置】七保町葛野と七保町浅川で葛野川が浅川川と合流する位置の、天神山山頂にある。
年代	戦国時代
城主	不明
遺構	郭・堀切・土塁
訪城日	2012.5.16
所在地	大月市七保町浅川
参考資料	日本城郭大系
参考サイト	城訪人

【歴史】 駒宮砦の存在は『甲斐国志』に「郡中およそ御前と言う山所々にあり、多くは烽火台の跡なるべし。御前平も其の類なるべし。」と載っており、遺構は、昭和三年に確認されたようですが、築城時期や城主などの伝承は無いようです。

【遺構】 天神山山頂部を４条の堀切で区切り、その内の三郭が主な郭になっています。天神峠から向かうと、先ず１の堀切に出会いますが、南側の堀下りは砦の南側面を通る古道跡と思われる踏み跡と合流していますので、古道から堀切へ誘い入れていた様に観察できます。また尾根上から東郭へは、北側へ木橋で連絡をしていたと思われますが、直接入っていたのか、北側に付随する帯郭（暖傾斜していて奥では郭面と同等の高さ））へ入ってから奥の北西端から東郭へ入ったか、難しい所です。東郭内は東の１の堀切側と、西の主郭側に土塁が残っており、郭の縁や斜面の所々に礫と思われる石が纏まって散在しています。２の堀切も１の堀切と同じく、南側では古道に繋がり誘い込んでいる様に見えます。主郭は東・南・西の三面の土塁が見られ、東側の土塁上には礫と思われる石が山積みされていて、４００年以上経つと言うのに臨戦態勢を維持しているのには驚きます。虎口は南側の土塁の切れ目で、斜面を下り腰郭で出ます。奥には右側に短い土塁（堀切に横矢を掛ける）があり、左側の切れ目には、L字に屈折した３の堀切を渡る木橋が掛けられていたと思われます。西郭は低い段差で３段に分かれ、北側に土塁が残り、南下にはL字状の空堀らしい窪みと腰郭が見られます。西側は４の堀切で終わっています。駒宮砦は小さいながらも遺構は良く残り、臨戦態勢のまま廃城になった姿を留めている貴重な城址だと思います。

【左上】最初に現れる１の堀切と東郭の切岸です。山城の雰囲気ですね！ 【右上】１の堀切を南側の古道から撮ったものです。かなり埋まっていますが、岩も削っていると思います。
【左上】東郭の北側帯郭から、東郭の先端土塁（中央）と城壁を撮ったものです。 【右上】東郭と主郭間の２の堀切を北側から撮ったもので、少しカーブしています。左が東郭です。
【左上】主郭の東側土塁です。土塁は崩れ、その上に積まれていた礫の山が残っています。 【右上】山積みされた礫です。
【左上】主郭と西郭間の３の堀切（中央藪）を挟んで、手前に西郭側土塁と、奥に主郭の切岸を撮ったものです。 【右上】西郭内部を東側から撮ったものです。奥に４の堀切があります。
	【左】４の堀切を南側から撮ったものです。 　　　　 ４条の堀切中、一番長く幅もあります。

【道】 国道２０号線から国道１３９号、もしくは県道５０５号線 へ入り、合流して七保町駒宮の春日神社を目指します。吉平の集落へ入り、「富岡」バス停の右側に「駒宮入口」の看板を右へ入る。下って行くと駒宮橋の手前に広場があるので、橋側の端に車を止める。ここから徒歩で橋を渡り、道なりに進むと細い沢を渡りその先を右へ鋭角に曲がり、先のＴ字路を右へ進む。春日神社の先に天神峠への標識があるので、ここから１０分程で峠へ着きますので、そこを右へ尾根を５分ほど歩きますと着きます。