形式 | 尾根城 |
時代 | 戦国時代 |
城主 | 後北条氏 |
遺構 | 郭・空堀跡・堀切 |
所在地 | 山北町 |
訪城日 | 2007.6.6 |
丹土尾砦と長土手遺構は、後北条氏の足柄城の城砦群として、猪鼻砦・通り尾砦・古楢尾砦・阿弥陀尾砦と共に駿河・甲斐方面に対する、境目の城として機能していた。 |
【位置】 両砦は、足柄城の城砦群として、猪鼻砦・通り尾砦・古楢尾砦・阿弥陀尾砦と共に駿河・甲斐方面に対する、境目の城として機能していた。南の阿弥陀尾砦から北に伸びる尾根の、標高633.7mのピークに築かれ、南西・西・北へ尾根が下っている。北尾根の200m程先にも、単郭と思われる長土手遺構が残っている。河村新城が監視をしていた山中湖村から不老山経由の間道が、生土にも下りて来ているので、その方面からの進攻に備えていたと思われる。 |
【丹土尾砦遺構】 主郭は、L字の形をしており、北に少し傾斜をしている。郭の西に下 がった所には、幅5m程の堀切の痕跡が辛うじて分かる程度残って いる。その西に、削平地と、尾根を下る途中に堀切が一条見受けら れる。南西には、尾根に対する小郭らしき削平地が見える。一方、 東の阿弥陀尾砦へと続く尾根には、一条の堀切が入っている。長土 手遺構側の尾根は急斜面で、削平地や堀切等の防御は、見られな い。砦の造りから、西尾根からの攻撃を意識している。 |
【左上】主郭内部を北側から撮ったもの。緩やかに傾斜しているのが分かる。右下には 堀切がある。 【右上】堀切B: 北側から見たもの。埋没が著しく、痕跡程度になっている。奥には小 高い小郭が見える。 |
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【左上】南西の小郭を主郭から見下ろす。小郭との間には、右から堀切が入り、右へ堀 下りの痕跡が残る。 【右上】堀切C: 三条の堀切の内、埋もれてはいるが、最も良く分かり阿弥陀尾砦側が 高くなっている。 |
【長土手遺構】 郭は、南北に細長い形で、北側が少し広がっており、西側に幅5m 前後の腰郭が付く。その下には、南から外側に土塁を伴って屈折し て来た空堀が巡っている。東側は、急斜面となっている。砦は西へ 伸びる尾根と、古戦ヶ原方面に対して守備していた事が分かる。 |
【左上】郭内部: 北側から見たもので、平に削平され、右側に腰郭(右上写真)が付属する。 【右上】腰郭: 右下には空堀が伸びている。 |
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【左】空堀: 埋没しており、腰郭面との段差は 高くないが、堀幅は広い所で10m以上あ るので、相当の規模だったと思われる。 |
【道】 静岡県の小山町町役場の交差点から足柄峠へ上って行くと、 左にある大沢林道入口の看板を左折し、道なりに進むと、一度 送電線を潜るのを確認して、そこから600m程行くと左にカーブ する手前右側に沢が流れ、コンクリート製の堰堤がある。車は 林道に置き、堰堤の左に「NO2谷止工」と彫られたプレートを 確認したら、林道から左側の急な切岸を2m程上ると踏み跡が 着いている。25m程行き、道が一旦下がるが、この手前左側 の縦堀状の溝を登って、尾根上へ出たら右へ進む。途中尾根 がT字になるので、右方向へ進み(ここで目印を付けておく)少 し行くと最初の堀切に着く。両砦内の木に、景図工房さんが取 り付けたプレートが架っている。 |