田代砦



形式 尾根城
年代 戦国時代
城主 後北条氏
遺構 郭・土塁・堀切・虎口
所在地 函南町田代
訪城日 2007.9.12 9.26 11.14


【位置】
函南町田代の集落から、東へ1.2Kmの標高500mの
尾根にあり、谷を隔てて函南から熱海峠を越えて熱海へ
通じる日金道が通る要衝である。


【歴史】
田代砦に付いて、古文書の資料は無く、何時の時代のものかは不明であるが、地元田代の方が長年林業に携り、遺構を砦の址と認識していたようである。同じ城仲間の方からご案内頂き、紹介出来る事となりました。地元の方のお話では、砦の南側尾根を日金道が通っており、1590年の小田原の役当時に豊臣勢が日金道を小田原へ進攻するのを予想し、砦を築いたとされる。しかし、築城途中の3月29日に山中城が豊臣勢の猛攻で落城し、田代砦は構築途中で放棄されたものと思われる。



【遺構】
砦は、東西に伸びる尾根のピークにあり、複郭のようである。主郭は
変則的な五角形をしており、外側には土塁が廻っている。西側に内
枡形の大手虎口、東に搦手の平虎口と外側に堀切と土塁が残る。
主郭中央部には、尾根のピークを削り残したような地形があり、とても
興味深く、皆様にも一度訪れて頂きたいと思います。北の側面には、
腰郭なのかあまりハッキリしない地形がある。主郭と西尾根との間に
は堀切の跡が残り、北側斜面に堀下っている。堀切から尾根側は郭
だったと思われ、、少し先には、低い段差で削平地が見れる。


【左上】内枡形虎口: 正面の土塁を右に折れて入る。土塁は痕跡程度に崩れている。
【右上】砦中央の、削り残しとも思える小山。色々な観点から見ると面白いと思う。
【左上】南側土塁: 先の左下方(南西尾根)にも、郭らしき削平地がある。
【右上】西尾根から掘切、城壁を見る。主郭西側の土塁が一番高く、主攻方向と言う事が
     分かる。
【左】東の搦手口を、主郭内から見たもの。


【道】
伊豆スカイラインを熱海峠で降り、函南方面へ1.2km程
下りて行き、左カーブの右に「原生の森」と書かれた林道
へ入る。1km程の左側に駐車スペースがあり、直ぐ先に左
に下りて行く旧林道を進む。放置された車を過ぎると、斜め
右にも道が分かれ、そちらを道なりに進むと左側の木に赤
い印があるので、そこから左へ入ると直ぐ城址です。